ねこだすけニュース vol.12
更新'99.6.
ねこだすけ会員に、フリーペーパーをお届けしています。
ねこだすけは、草の根の地域猫ネットワークです。Neko-Dasuke NEWSに原稿をお寄せください。7号はB4サイズ2折8頁。5000部郵送と手配り。
12号掲載予定の主な内容
【ダンボール箱】 by:吉田
都内H団地に11匹の仔猫がダンボール箱に入れられ放置されました。一体誰が、どうして、こんな数の仔猫を・・・?!団地の管理事務所では“引き取り手がいない以上保健所に連れていくしかない”とのことでした・・・が偶然にも野良猫救済に積極的な獣医さんが現れ、里親探しも協力してくださることになり11匹の仔猫たちは保健所行きを免れました。
しかしこの仔猫たちを産んだ母猫はどうしているのでしょう?その近辺では、また次のシーズンに第2、第3の×11匹が産まれないように、野良猫の不妊・去勢手術を計画中のようです。
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【ご近所で「小さな地域猫対策」は、もう始まっていませんか?】
街の猫事情を考える皆さま 猫にやさしい皆さまの地域猫会議室
手術ができないので、生れてしまった!! 保護して欲しい!! 里親を探して欲しい!! 手術費用がどうにもならない!! …… と,なる前に ……
地域猫にご理解のあるご近所の皆さまは少なくありません。
猫には、猫のそばにいるどなたでも手を差し伸べられますから、決して無理をしない、どなたかが、何かをできる範囲で、のチームワークも大切です。
●猫のいるまちづくりに賛同する人たちは決して少なくありません。
ご近所のみなさまへ手づくりチラシなどを読んでいただくと、もっと理解が広まりますし地域猫のチームワークも大きくなります。地域猫のPRや啓発にはチラシのポスティングや回覧板への添付などが効果的です。
●チラシの主な内容は…
- 猫の不妊去勢手術が進んでいるので、もうこれ以上は増えないこと。
- 猫に餌を与える人たちとも食器のお片付けやウンチ掃除、手術の協力などの適切なルール作りが進んでいること。
- 役所や地域行政にも報告していること。また地域猫対策には行政の後押しもあること。
- 捨猫違反や虐待犯罪は警察にもお願いして、違反者や犯罪者をなくするようにしていること。
- 猫の里親探しや一時的な保護、救済の他治療なども必要なこと。
- 未去勢や不妊手術前の飼い猫には室内飼いをお願いすること。
鳴き声も穏やかになり、ゴミが散らからないお行儀の良い猫ちゃんや他の動物ともふれあいながら、情緒あるやさしいまちづくりがこの街でもすすんでいます。
●チラシは読みやすく簡潔に、目的をはっきりと…
チラシには最も訴えたいことが簡潔に分かりやすく書かれていると情報が伝わりやすくなります。豪華さは必要はありませんが、ワープロや読みやすい楷書文字などで、すっきり整理された体裁が通常は好まれます。
チラシや文章の回覧の際には、発進元も明記します。お問い合せやご相談などへの対応も大切な地域猫対策です。最初は野良猫駆除などの苦情もありますが、やがて地域猫対策に賛同する問い合せや相談などに変ります。
●チラシには、誇張や自分よがりの主張は避けたいもの…
チラシに「ウソ」や誇張は禁物です。世論に受け入れられにくい自分よがりの自己主張も避けたいものです。
動物の保護及び管理に関する法律や地域のペット条例の規定に従う内容のほか、役所や保健所で発行している文章やスローガンなどが活用できます。
動物愛護の広報活動に広く伝えられている「繁殖制限」「終生飼養」「適正飼養」「遺棄虐待罰則」「譲渡規定」などや、「野良猫には仮りの飼い主がいること」「飼い猫の室内飼い」などなども動管法やペット条例の他、公的機関などが猫愛護に関して啓発している事柄です。
●チラシで手術費カンパや募金のお願いは…
地域猫の手術費用の捻出には大変な負担と労力が伴います。
東京都のペット条例にもあるように、餌を与える人は飼い主ともみなされるため適正な飼養の義務も伴いますし、むやみに増えて飼えない恐れのあるときには繁殖のコントロールにも努めなければいけません。
また、やむを得ず続けて飼えなくなったときには飼い主が努力して、適正に終生飼養のできる新しい飼い主さんを探さなければいけないことにもなっています。
早め、早めの不妊去勢手術は不可欠ですので、手術費の捻出やカンパは地域猫の仮の飼い主さんには大変重要になっています。有志で行う街頭募金のほか、ガレージセールやフリーマーケットなども各地区でそれぞれ行われ地域で手術が進んでいます。
●手術費カンパの前に…
幸いに地域でご協力者からお申し出があったときに、カンパは直接の手渡しばかりではありません。手数料が安い郵便局の払い込み口座の加入や、金融機関の口座の開設のほか多くの人の目にふれる募金箱の設置なども事前に用意します。 地域猫は細く長く続く活動です。手術の実施の際には獣医師から領収書をいただき、経費の明細や手術予定頭数の他、今後の地域猫化計画などを地域の皆さまに随時報告します。
●お役所、保健所、警察署には…
地域猫活動は個人で始める皆さまがほとんどです。地域との連携やご協力者も時間とともに広がりますが、お役所や保健所などの協力が得られると世論の気運にもはずみがつきます。活動の報告は地域のご担当のお役人には進んでお伝えします。
また、捨て猫や虐待行為は罰則もある法律違反であることを知らない人も多いです。地域猫エリアでは管轄の警察署などにもお願いし、パトロールの強化や、違反者に直面したときの対応をあらかじめご相談することが大切です。
●対話と清掃が基本です
チラシがなくても、お役所の協力が未だでも、ウンチの掃除をしながら猫が大好きな皆さまと小さな対話のネットワークを心掛けたところでは、やがて大きな地域猫エリアができていきます。お声をかけ合いながら、協力し合いながらのプラス思考がモットーです。
●動物といつまでもやさしく一緒に暮らせる、うるおいの溢れるまちづくりが、どなたのご近所でも出来上がっています。
新連載/小さな命を守る、やさしい法律を素直に読もう!!
その1/譲渡規定
産業動物として人工的に繁殖される犬猫は、動管法ができる昭和48年以前から市場に広く出回っていました。動管法では動物の「生命尊重」を柱に「終生飼養」や「適正飼養」を定め、増えて適正な飼養ができなくなるときの「繁殖制限」や、やむを得ず譲渡する際の「譲渡のきまり」も定めています。また「遺棄虐待」には罰則もあります。
動管法に素直に厳密に従うと、予め譲渡を目的にした猫の繁殖や、生れてしまったので仕方のない譲渡もできません。
「動管法の目的は・・・」
「第1条 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の保護に関する事項を定めて国民に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。」
とあります。
情操の涵養に資すとは・・最も複雑で高次の感情を、水がしみ込むように、少しずつ自然に養い育てていくことに役立つ。(大辞林より)となります。
例えば豊かな大自然の恵みの中で、素敵に自然に動物や猫とふれあうように・・・です。現代では水がしみ込むように静かに動物や猫愛護の気風はすすんでいますが、猫の生命の尊重というよりは経済価値を持つ動産としてや、特別な価値を与えられた産業動物としての猫も昭和48年以前と変わらずに生れています。
昭和51年には展示や販売動物に対する規定も作られ、さらに昭和62年には産業動物の規定もできましたが、「産業等の利用に供するために、飼養し、または保管している・・・」と定義されるように、動管法の規定には見当たらない「予め譲渡を目的とした産業動物の猫」が生れてしまってからの飼養や保管などの決まりを定めたものです。動物愛護や猫の生命尊重、人の友愛及び平和の情操の涵養に資する目的をもってしては、猫の繁殖制限措置の努めを中止できる合理的な裏付けは動管法にはありません。
犬及びねこの飼養及び保管に関する基準(昭和50年7月16日総理府告示第28号)動物の保護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第4条第2項の規定に基づき、犬及びねこの飼養及び保管に関する基準を次のように定める。
第1 一般原則
1 犬又はねこの所有者又は占有者は、犬又はねこの本能、習性及び生理を理解し、家族同様の愛情をもって保護するとともに、人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止し、及び生活環境を害することがないよう責任をもって飼養及び保管に努め、並びに犬又はねこの所有者は、犬又はねこを終生飼養するように努めること。
第5 その他
1 繁殖制限
犬又はねこの繁殖を希望しない所有者は、去勢手術、不妊手術等繁殖制限の措置を行うように努めること。譲渡規定
2 譲渡又は引取り
(1) 犬又はねこの所有者は、やむを得ず犬又はねこを継続して飼養することができなくなった場合には、適正に飼養することのできる者に当該犬又はねこを譲渡するように努め、新たな飼養者を見出すことができないときは、都道府県知事(法第7条第1項に規定する政令で定める市の住民にあっては、当該市の長)に引取りを求めること。
(2) 犬又はねこの所有者は、特別の場合を除き、離乳前の子犬又はねこを譲渡しないように努めること。
猫も家族同様にその小さな生命を尊重しながら適正な終生飼養のためには繁殖制限にも努める飼い主にとっては、転居、転職、アレルギー、多頭飼い、留守がち、同居者の意見、他の動物との同居などなどのそれなりの理由が、「やむを得ず継続して飼養のできない」場合にあたり「適正な飼養者への譲渡に努める」理由に果たしてなるものなのでしょうか?
また現状では都道府県などでは猫の譲渡システムは完備されていないので、行政に殺処分を依頼することも動物愛護の情操の涵養に反します。捨てることは罪になり禁止されていますし、みだりに繁殖させることも制限されます。やむを得ず継続して飼養のできないときには譲渡に努めるのですから、前もって譲渡先があるときでも繁殖はさせられません。
猫は生れたら一生涯のその小さな命の尊さを重んじられ、同居する人間の家族とも同じように飼い主と共に過ごすことになります。
純粋に素直に動管法に忠実に動物の愛護気風を見つめるときに、世間の矛盾がそこ、ここに見え隠れしてしまいます。
猫に優しいあなたにとって動管法は必要ですか?
それとも誠にやっかいなルールでしょうか?
【トピックス】
子猫保護 1.
母猫が顔と肩を食わえて移動中に、猫好きのお宅の門前にある大きプランターの植え込みに「放置」したと思われる赤ちゃん猫を保護。生育不良の虚弱及び顔面他に重度の疾患あり。獣医に入院及び通院し、市民有志のシェルターにて里親さん探しを前提にした「擦り込み」(人になれる訓練)に・・・。
子猫保護 2.
出勤途中に全身が濡れた状態の行き倒れ子猫を保護。眼に疾患が見られる。勤務先の上司がシェルター(介護救済、一時預かり)を名乗り出る。
わんちゃん保護
地域猫エリアの公園にわんちゃんが出没、首輪と登録証は不明。地域猫実践中の女性が緊急救済シェルター活動を開始。わんちゃん恒例の近隣散歩コースで、捨てた飼い主と散歩する該当わんちゃんを良く見かけていたお散歩仲間多数と遭遇。生業不況の為元の飼い主が緊急異常事態で移転したことが判明。状況を考慮しながら適正な終生飼養の継続及び、動管法13条遺棄違反を検討
準大手企業が動物の生体を景品に!!
管轄官庁に確認の上動物愛護精神高揚目的の生体景品付きイベントとして販売担当者が勇み足の広報を行う。動物愛護精神を尊重し動物の生命を尊厳する賢明な消費者は生体の景品イベントを望まないことや、多数の一般消費者に共感を得られないことなどは既に企業も了承済みなので生体の景品は中止。産業動物を扱う企業の一部にも動物愛護精神は少しづつ浸透を始めています。