地域の猫問題を考える集い
中央区動物愛護懇談会の提言が公開されました。(2005.2.15.up)http://www.city.chuo.tokyo.jp/index/014003/021215.html
愛護動物所管を置く自治体が「先進的」といわれ高く評価されるほど、国内そのほかの動物愛護事情は立ち後れています。
【地域行政の条例・措置要綱・提言などについて】AWN連絡会より
イベント: | 地域の猫問題を考える集い |
日時: | 2005 平成17年1月16日 (日)午後2時~4時 |
会場: | 月島区民センター1階会議室 |
主催: | 中央区保健所(中央区ホームページ) |
テーマ: | 飼い主のいない猫について、地域猫方式の解決策の取り組みについて、など |
開会: | 中央区保健所衛生部長 |
司会: | 中央区保健所衛生課長 |
内容: | 飼い主のいない猫との共生プランのあらまし・東京都動物管理係長 区内モデル地域の実践例・該当町会長 地区状況と町会の取り組み・該当町会長 近隣他区では・NPOねこだすけ ほか |
「ラブ ミー ラブ マイドッグ」
日本のことわざに言い換えると「坊主憎けりゃ袈裟までも・・・」
「ノラネコ憎けりゃ、人までも・・・」、それはそれはさみしい人間関係と思います。
中央区が主催した動物愛護の集いに招かれました。区の開会挨拶で例えられた「ラブ ミー ラブ マイドッグ」。
人と動物との適切な関係づくりを目指す時、まずその前に、人と人との関係づくりと思うのです。
地域コミュニティの行政所管の、すてきな理念に後押しされた集いでした。用意されたテーブルもいっぱいになりました。
AWN連絡会・所感
当日の会場で、中央区のほか、近隣の他の区や、都のお話しなどのさまざまな情報から、これから私たちが目指せる活動のうち、気になったことがあります。
東京都では、飼い主のいない猫との共生モデルプランの浸透をうけて、これからの動物愛護の基本計画(ハルスプラン)に飼い主のいない猫との共生支援事業を取り入れました。
この長期的な施策は、都民の公共性を維持するために、行政主導で行政マンの人員増強や費用などの工面を、行政が行うものでもありません。
モデルプランと同じに、地域コミュニティの合意のもとで持ち上がった愛護動物対策行動を、所管の自治体(区など)がサポートするとき、東京都も支援するものです。
「モデルプランの浸透」ということを、都民の側から解き明かそうと試みる時、従来なかった画期的なポイントは、「獣医資格を持つ都の職員による繁殖制限手術」の実行でした。しかしこの方法は、事態の改善を暫定的に試みる「緊急回避的な手段」という位置付けのようです。
この「緊急回避的な手段」を大きく育てられるか?どうなのか?は、これから私たちに目指せる大切な事柄と思うのです。
今までは、獣医療に携れる機会の少なかった、都の獣医資格を持つ職員に、新しい活躍の場を作り出せるのか、一時的な緊急回避的なできごとで終らせてしまうのか?
今回の集いでも、今後の都による繁殖制限手術や獣医療についての質問がありました。
中央区では、都の方策と歩調を合わせつつ、更に付け加えて、地域に密着した区のオリジナル構想も着々と進みつつあるようです。
区のオリジナル構想を実行するのは、やはり都のハルスプランと同じに、区の職員動員や区からの財務支出というよりも、地域コミュニティから沸き上る愛護動物行動を、地域行政がサポートしバックアップする「協働」の方法と思われます。
地域住民の合意に基づく活動プランに、区との合意形成のできるとき、東京都による獣医療システムを「緊急回避的な手段」からステップアップさせる可能性もゼロではありません。
現在は、まだまだ試験的に試みられているに過ぎませんが、「都による獣医療機能」の重要性を思う都民が増えるにつれて、システム実行の可能性も消えません。
裏腹に、利用する都民がいなくなると、システムも簡単になくなることでしょう。
既に発生してしまっている野良猫対策では、当面の繁殖制限手術に加えて、譲渡も大きなテーマです。譲渡に獣医療が欠かせません。現在は「緊急回避的な手段」に位置付けられる手術などの獣医療を、譲渡にも関わる獣医療に結び付けられるものなのか、どうなのか?多くの都民が目指すことによって夢でもなくなります。
狂犬病予防法によって古い時代に作られてしまった「致死処分施設」を、動物愛護管理法に準拠した、動物の適切な保護や管理の目的で使い改めるために、私たちに今行えるひとつひとつのポイントを見極めながら、目指したいと思うのです。
都内の各自治体(区など)に、愛護動物を保護や管理する施設はありませんから、都の施設を区も使うことができます。
遺棄違反対策や殺傷犯罪対策で、警察の行動の一番のウイークポイントも、犯罪などの該当動物の保護や管理機能のないことです。
愛護動物の適切な保護や管理と、譲渡機能を持ち合わせた施設(シェルター)を、行政で形づくることは、法令順守のなかでも可能です。私たちの考え方次第で、ポイントをはずさない小さな努力を続けることで、夢の姿を実現することも不可能ではありません。
御時世ですから、理想的なシェルターの即時の設置も難しいでしょうが、先々の変革を形にしようとするとき、都による獣医療システムのこれからの動向に、大きく影響されると思えるのです。
例えば、モデルプランの実行期間中に、動物愛護を思う多くの方々が、地域コミュニティとの合意形成に努めた結果、ハルスプランにステップアップできたようにです。
そのためにも、今できること・・・
任意の有志で行われるトラップニューターリターン行動を、動物との共生を試みる自治体(区など)と、環境保全活動とする位置付けの「地域ねこプラン」にステップアップしながら協働し、区のサポートのもとで、ハルスプランに従った都の支援の機会をたくさん作り出すこと・・・と思えるのです。
協働事業ですから、都や区に直談判する方法と異なります。地域住民の合意形成に基づくことが原則です。
モデルプランでは、地域住民の合意のもとで、区のサポートを得ながら、都の支援をうけて「緊急回避的な暫定的手段」といいながらも、都による獣医療システムが実行されました。
(平成17年1月・所感担当/AWN連絡会より)