アニマルレスキューシェルター新設計画

アニマルレスキューシェルター新設要求に対するお問い合わせへの参考資料です。

アニマルレスキューシェルター新設計画に関すること・・・

● 動物の法律を威圧的に活用することは本意ではありません。しかし、昭和48年動管法施行以来、同法の実行に関する行政の不作為や、昭和25年の狂犬病予防法の慣用を動管法施行以後も継承するなどの法を超えた措置などが、現在でも全国各地で頻繁に実行されています。

● ほんの一例ですが、動管法施行以前からの慣行で実行されている、「都道府県が引き取った動物を致死処分に付す措置」や、狂犬病予防法を慣例的に準用し実行される「徘徊する犬猫の駆除処分」などは全国各地で日常的に発生している顕著な事例です。

● これらの法を超える恐れのある措置や、行政不作為に起因するとされる行為の横行は動管法施行以前からの商業あるいは産業愛玩動物事業活動の拡散なども背景的な要因になっているとも言われています。

● このため、飼い主や取扱業に対する普及啓発が立ち後れ、使役動物と呼称する不適切な愛玩動物事情の流布が継続しています。

● 法に準拠しない、あるいは法を超えた恐れの有る事態には日々頻繁に直面しており、その都度該当の地域行政などに対して草の根的なお願いを継続し、ひとつひとつ結果に結び付ける活動が進められています。これらの活動は法改正時の付帯決議への先行要望とは異なり、法改正以前から継続されている活動であり、新たな法制化を求めるものとは異なります。

● アニマルレスキューシェルターの新設に関しては、動管センターなどで引き取る動物を減少させるための普及啓発や指導及び監視のほか、引き取った動物の飼養の継続を図るシステムなどを行政が構築するための市民活動に努めながら、致死処分を措置とするセンターなどに対しての、アニマルレスキューシェルターシステム構築が求められています。

● アニマルレスキューシェルターに求められるそのほかの機能は、遺棄や殺傷違反などの該当動物の処遇方法の確立などです。その際には、警察や愛護動物行政及び動管センターなどが飼養の継続に関するシステムを構築することが前提とされています。

● 全国に設置されている既存の動管センターなどが、致死処分政策から飼養の継続政策に移行を果たすには、社会の愛護動物に対する意識や、飼い主及び取扱業の意識変革とも合わせた愛護動物風潮の高揚が、その実効を促すものともいわれています。

● 意識変革の実行方法のひとつとして、各地域の動物愛護行政やセンター、警察、消防、教育局などが現行法に準拠する愛護動物政策対策を互いに連動し推進することが求められています。

● 社会の愛護動物意識変革に寄与する行政の措置実行がなされ、現存する動管センターなどが積極的にシステム構築に施策を移行するほか、各地方自治体が理念としても飼養の継続や飼養希望者の発見に努める政策を積極的に取り入れ、且つ各地域行政が引き取る動物の減少を目指した具体的実行計画を政策として転換する折には、官民一体または民間委託するアニマルレスキューシェルター事業にも極めて有効な機能が期待できるものとされます。

● 改正動物愛護法では動物取扱業業務から実験動物や畜産動物は除かれました。しかし人間の使役に供される犬及びねこに関しては現行法上の責務の範囲に於いても明確な基準や定義の普及啓発ははなされておらず、法制局サイドからの任意の回答では「取扱業にも法20条に於ける犬又はねこの繁殖制限は本法を適用するもの」と伝えられるにとどまっています。

● 使役動物の定義や規則に関する適切且つ明確な普及啓発がなされない中で、人との情操の涵養に資すことを目的にする際にすら、人の為に使役動物を供する行為には、大きな危惧を感じる立場の意見もあります。アニマルレスキューシェルターに抑留され擁護される処遇困窮動物に対しては、いかなる場合にも人間の使役に供する行為を否定するという考えです。使役動物が果たす人に対する役割を、アニマルレスキューシェルターの運営要因に組み込む際には、学術的、専門的且つ法制的な考察などへの充分な配慮を要するものとも考えられています。

● 使役動物問題は動物園などの近交劣化問題とも比較されますが、肥大したペットブームの中では近交劣化の抑止は極めて困難ともされており、学術的専門的且つ法制的な考察と研究対策が求められています。

● 法制的には「命あり、人との共生に配慮される」とされた法の精神の実行に係わる普及啓発及び監視や規則の他、教育の機会の発掘が求められています。

● 専門的には「近交劣化」を含めた、人間の使役動物問題への考察や検証などです。

● 学術的には動物愛護法の精神の実行を基点に、専門的な検証に配慮され且つ、全ての生きる動物と社会環境問題ともリンクする、愛護動物問題研究の機会の創造と研究機関の構築が求められています。


● 愛護動物に対する気風が高揚し、適切な行政措置が実行されるに及ぶ折に於いて、既存や新設に係わらず、官民一体型にて運営され、全国の各自治体を拠点とするアニマルレスキューシェルターの意義が更に有効になるものと考えられています。

● 本来各地域行政が法に準拠し実行すべき「処遇に困窮する愛護動物に対処する飼養の継続に係わる業務」を、現在では任意団体や法人格団体のほか、個人や愛護動物を考える市民間ネットワークの中で、大小多数のアニマルレスキューシェルターという形で展開され、運営されています。

● 各地域行政の愛護動物政策の適切な措置への移行にともない、大小の民間シェルターもまた形を整えながら、官民一体型に移行することが不可能とはなりません。

平成13年夏 おとぎ智行
ねこだすけ地域ねこインスペクターの手引より抜粋(無断転載はご容赦ください)